靴が脱げない

玄関にあがろうとして、靴を脱ごうとしたときに
またいつものやつだ。

靴を脱ぐことができないような衝動にかられる。
ここで脱いではいけない。

靴を脱ぐと長時間歩きつづけた足の臭いが
充満してしまう。

なにせ足が臭い。

「なにこれくっさあ~。」

友人のお母さんもいうくらいわたしは、足が臭い。
夏場、3日間くらい外で放置しっぱなしの納豆のにおいが
足からふんだんににおってくる。
はじめて臭いをかいだ人であれば、そのあまりのにおいに悶絶してしまうことだろう。

「この臭いを人にかがせるわけにはいかない。」

飲み会のとき、席が座敷と聞いて、靴を脱がなければいけないので、
欠席をしたことだってある。
あのときの飲み会だってすごく行きたかったんだ。
だのに、この足の臭いのせいで、飲み会だって行くことができなかった。

足の臭いだって、臭いを消すために指折り数え切れないくらいの方法をためしたんあd。

もちろん、毎日足は洗っている。
香水を、250mlの半分くらい靴と足にふっかけたときがあった。
そのときですら、足と香水の臭いがまざって、強烈な臭いを放っていた。

足の臭いを取ることなんてできやしない。

「わたしが臭いから悪いんだよね。」

 
                   ガッ

思わず、目の前にある机をけっとばした。
もちろん痛い。痛くてしょうがない。

こんなに足の臭いで悩んでいる人って世界に私だけなんじゃないのだろうか。
思わずそんなことを考えて、どこか笑えてくる。
そして、悲しみのあまりに、涙がとめどなく流れてきた。